

■第2回 たかが会計!?・・・されど会計?!
〜中小企業の会計の常識ガ根底から変わると、会計システムも変わる?!〜
税理士法人 さっぽろ経営センター 社員税理士
日成コンサルティング株式会社 代表取締役
税理士/中小企業診断士/ITコーディネータ 吉 川 孝 もしも、ある日突然、大半の中小企業が行っている決算が“違法”であり、認められなくなったとしたらどうだろうか?!
中小零細企業におけるコンピュータの利用用途別に見ると、最も多い文書作成を抜きにすれば、たぶん財務会計と販売管理、給与計算という、いわゆる経理畑の利用であろう。
これらの多くはスタンドアローンの環境で使われているレベルにあって、いわゆる事務合理化、OA化の類にとどまっている。仮に、情報通信技術を基盤とするネットワーク上でのデータの活用とIT化を定義するならば、会計に関するコンピュータの活用の大半はIT化とは言えないのではないだろうか。しかし、このことで不便を感じている中小企業の経営者や経理担当責任者は、あまりいないかもしれない。
経理や会計と分野は、最もバックオフィスの奥の方に存在していて、あまり経営に重要なファクターとして脚光を浴びているケースは少ない。なぜならば、多くの株式非公開のオーナー支配の中小企業における会計データの主な利用目的は、税務申告を行うためと銀行に提出を求められるためで、商法に基づく制度会計とか、経営に役立つ管理会計として活かされているとは言えない実情にある。
会社というものは商法によって存在している。その商法が義務付けている会計のあり方が「制度会計」である。実は、世間の大半の中小株式会社 約100万社強が、実は違法な決算をしている。
もしも、現在検討されている新会社法が施行されるとすれば、約170万社の有限会社も、いつか株式会社となって違法決算の標的となるかもしれない。
制度会計では、法に照らして適法かつ適正な決算を経営者の責任において外部に開示されていることが求められる。ディスクロージャーは、もう社会の常識である。
ビジネス社会では、商法283条では昔から決算開示義務が定められ、これに違反すると100万円以下の科料に処せられることも決まっているにもかかわらず、大半の中小会社において長い間これが守られず、罰則も科せられない状況が続いているという、嘘のような現実がある。
こんなルーズな無法状態がいつまでも続くわけがない・・・・と考えるのは私だけではないだろう。決して私の独断ではなく、1〜2年先に会計に関する環境が大きく変わるのは間違いない。
その時を境に、中小会社では、会計担当者のスキルと質の高さ、会計に関する組織の成熟度のレベル、会計のやり方とシステムの適否の問題が急浮上することになるだろう。そのとき会計システムは、単に会計部署だけの問題ではなくなり、全ての業務プロセスとの関連において検討され全社基幹業務システムの中心に位置づけられることになるであろう。
すなわち、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)システム:基幹業務統合管理システムが、前向きで積極的な中小企業にとって価値ある経営管理システムとして注目され、同時に企業会計システムのあり方が大きく変わることでしょう。
今から、自社のバックオフィスの業務フローとシステムの見直し再構築に着手されることをお勧めします。
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